私の愛する初恋の男前が、
泣きながら彼の名曲を歌ったと聞いた昨日、
バカみたいに声を上げて泣きました。
我が家の窓からは富士山が見えます。
関東に住むのなら、富士山が見えるところっていいななんて、軽い気持ちだったけど、
何だか今はここに越してきたのが必然のような気がしています。
あの日から毎日、冬の真っ青な空に白い富士山。
夕暮れ時、17時のチャイムが鳴る頃には、
茜色の夕焼けの中に浮かぶ、美しい富士山。
そして東京の空でも見えないこともない、月夜の星。
彼と交流のあったミュージシャン達が、次々と彼の歌を歌うたびに、
彼へのメッセージを発表するたびに、胸が痛くなったけど、
やっぱり彼の憧れだったあの人が、普段は感情を見せないあの人が、
彼のために、涙を流して彼の曲を歌う姿を想像したら、涙が止まりませんでした。
私があの人に恋をしてから20年近く。ステージで泣いたなんて聞いたことがない。
大人になって、こんな風に声を上げて泣いたことがあったかな。
泣き過ぎて頭が痛くなるものだなんて知らなかった。
あの人を泣かせるなんて、彼は本当にどれだけあの人に愛されていたんだろう。
そう思ったら、泣いてたのに彼が羨ましくなって、ちょっと悔しくなって、
何で勝手に行っちゃうんだよ。あの人泣かせんなよって。
たくさんの友達がファンがこんなに悲しんでるのに、何してるんだって。
もう二度と、新しい曲も聴けないし、踊り出したくなるライブにも行けないし、
変なポーズやニヤニヤ顔で歌う姿も見られないし、あの雄叫びも聴けない。
死んでしまうって、こういうことなんですね。
わんわん泣きながら、窓の外を見たら、
びっくりするぐらいキレイな茜色の夕日に浮かぶ富士山。
眠っているような彼の顔は、いつものように美しかったそうです。
手のひらも柔らかかったそうです。天国でギターを弾けるように。
あの日からずっと晴れた空。
彼を知るたくさんの人が言うように、
きっと、あの人の声も、他の人たちの歌も、
メッセージもファンの声もみんな、彼はどこかで聞いているのだと思います。
ちょっと恥ずかしそうに、ニヤニヤしたり困った顔したりしながら。
あまりにも想像が容易くて、なんかちょっとおかしくなって笑ってしまいました。
今日もきっと大阪に行っただろうし、明日もきっとやって来るでしょうね。
自分の出番にも。親友のステージにも。
あまりに突然過ぎて、理解が上手く出来なくて、
いろんな偶然を並べては、それに意味を見出そうと必死でしたが、
愛する初恋の男前のおかげで泣くだけ泣いたら、悲しい気持ちはもちろん消えないけど、
前も今も変わらず、彼を好きだと言う気持ちが強く沸いてきました。
もう新しい曲も聴けないしライブで姿も見られないけど、彼の残してくれた曲があるから。
訃報をきっかけに、新しいファンが出来るのは少し複雑ですが、
彼は天国で喜んでいるのかも知れないですね。
「オレ、結構人気あるじゃん」なんて。
その中に、追跡していたかわいい女の子がいるといいね。
きっと空の上でも、彼の変態さは変わらないだろうから(笑)
しばらくは曲を聴いて、DVDを見て、彼を焼き付けたいと思います。
きっとまた、バカみたいに大泣きするだろうけど…
泣きながら踊ってやります。そして一緒に雄叫びを。
残された人間に出来ることは、そのぐらいしかないから。
もしこのことをきっかけに、彼のことを知った人がいたら…
一度、彼の歌声を聴いてみて欲しいと思います。
歌は決して上手くないし(苦笑)、曲調も歌詞もどこかおかしくて、
だけどものすごい味のある、ヘンテコな魔力を持った謎めいたバンドです。
ヒットチャートを賑わせるような、耳なじみがよい曲ではないですが、クセになります。
もし少しでも心に残ったら…きっとあなたも中毒になるはずです。
ちなみに楽曲提供している曲も数は少ないですが、名曲揃いです。
そう言えば前に一度だけ、このブログで彼の曲についてチラリと書いたことがあります。
彼の名前も出してなかったですし、ほんのワンフレーズ歌詞を書いただけなので
ご存じない方には全く分からなかったと思いますが…
それに気付いてくださった方がいて、本当に嬉しかったです。
今、彼の曲を聴いてますか?
好きになってくれたでしょうか?
もう会えないけど、今さらかも知れないけど、
彼の魅力に1人でも多くの人が気がついてくれたら、ファンとして嬉しいです。
生前に彼のことを追いかけられただけでも、幸せだと思っています。
そしてこれからも、自分が好きだと思ったものには許される限り、
力を尽くして追いかけて行きたいと、改めて思いました。
いつ何が起こるか分からないのが人生だから。
「全力で走れ」
彼の歌う通り、全力で走って行きたいと思います。
笑ってサヨナラできる日まで。
遠くに行っても そう どうか元気で。